ほとんどのRPGにおいて、戦闘は重要な役割を持っています。一部のRPGを除き、戦闘のないシステムはありません。ロールプレイ志向が重視され、戦闘ばかりを目的とするプレイヤー/ゲームマスターは駆逐されようとしているのが風潮です。もちろん、単なる殺し合いや虐殺を目的としたプレイヤーやゲームマスターは、共同封想としてのRPGにとっては不要な存在だと思いますが。
 しかし、意味のある戦闘は適度の緊張と深みを与えるという意味でも必要だと思います。『クトゥルフの呼び声』や『蓬莱学園の冒険!』のような謎解きと探索をメインにしたゲームならともかく、普通のRPGで戦闘のないシナリオは考えられませんし、プレイしても面白みに欠けるでしょう。

 さて、トーグにおいて、戦闘はゲームを構成する重要な要素の1つとしてシステムに組み込まれました。単なるドツキ合いで終わるのではなく、精神的な面での攻防も繰り広げられ、また、キャラクターのロールプレイの1つとなったのです。
 前述したようにトーグの戦闘は攻撃と防御という単純な行動だけでは、まず勝つことはできないように作られています。ザコならともかく、ボス格の敵を倒す場合、
精神的に相手を上回り相手のスキを突くことが重要になります。また、推奨行動というルールの存在により、攻撃と防御を繰り返すだけでは、キャラクターが有利になることはありません。

命中判定

 先に述べたように、トーグにおける戦闘行為の解決は一般行為判定と同じです。相手の技能基本値を難易度とした技能ロールに成功すれば相手に攻撃が命中します。

 武器によるダメージは、手に持つタイプの武器の場合、≪筋力≫+武器の修整値がダメージ基本値になります。

 刀の場合、修整値は+7ですので、≪筋力≫10のキャラクターが持った場合、ダメージ基本値は10+7=17になります。
 銃火器などの場合はダメージ基本値は武器表に書かれたとおりの数値になります。

 ダメージの算出する場合、新たにダイスを振る必要はありません。命中判定に使った目をそのまま使います。
 つまり、〈白兵戦〉15で刀(ダメージ基本値17)のキャラクターが攻撃をしたとき、ボーナスが+7であったならば、〈白兵戦〉達成値は15+7=22、ダメージは17+7=24になるのです。 

ダメージ

 トーグには3種類のダメージがあります。ショックダメージ、K・Oダメージ、負傷です。

 ショックダメージはかすり傷程度のものや疲労といった程度のダメージです。1分間につき1点の割合で回復します。また、〈応急手当て〉や『奮起』カード、アドバンテージの『活力』でも全快します。

 K・Oダメージは文字どおり気絶につながるダメージです。K,O,K/O,KOの4種類があり、Kを受けていないとOダメージは受けません。Kを受けた後にOを受けるとKO=気絶してしまいます。K/Oは、Kを受けているならOダメージ、受けていないならKダメージを意味しています。KOダメージを受けた場合、即座に気絶してしまいます。Kダメージは30分で回復します。Oダメージは1分で回復します。K・Oダメージもショックダメージと同様、〈応急手当て〉等で全快します。

 負傷こそが本当のダメージです。負傷には軽傷(1レベル)、重傷(2レベル)、致命傷(3レベル)、死亡(4レベル)の4段階があり、加算されていきます。つまり、1レベル負傷を受けた状態で2レベル負傷を受けると3レベル負傷になります。負傷を回復させるには翌日以降、《耐久力》ロールで回復ロールに成功すると、1レベル回復します。奇跡や〈医学〉による処置を受ければそれよりも早く回復することができます。

一対多行動

 トーグの戦聞システムの中でも画期的なものの1つに、『一対多行動』があります。これは映画やコミックのように、数の上において圧倒的に勝る敵をヒーローが1人でバッタバッタと倒していくという場面を再現したものです。これは『一対多行動表』によって判定します。また、戦闘に限らず、ジャンプしつつ武器を撃つといった通常行動+戦闘行動にも使うこともできます。

■プレイの例■

 ナイル帝国の秘密基地から機密文書を盗み出したニッポンテックの企業忍者ハンゾウは、カイロの裏道で4人の追っ手に囲まれてしまった。ショックトルーパーは手にしたシュマイザー機関銃の銃口をハンゾウに向け、ジリジリと迫ってくる。
 ハンゾウは一対多行動で全員に攻撃をしかけることにした。ハンゾウの〈武道(忍術)〉基本値は16、忍者刀のダメージ基本値は14である。一方、ショックトルーパーの≪敏捷度≫は9、アーマー基本値は9である。

 まず、ハンゾウのダイスの目は19でボーナスは+6、〈武道(忍術)〉達成値は22になった。『一対多行動表』により、それぞれ難易度が上昇するため、1人目に命中させるのに必要な達成値は9+2=11、命中である。次にダメージに修正はつかないので、忍者刀のダメージ基本値14+6=20となり、「2レベル負傷・K/O・ショックダメージ11」となる。

 2人目は9+4=13でこれも命中。ダメージは耐久力修整がつき、20−9+2=9なので、「1レベル負傷・K/O・ショックダメージ9」となる。3人目と4人目は9+6=15で命中。ダメージは20−9+4=7で、「転倒・K/O・ショックダメージ5」となる。

 ハンゾウは目にもとまらぬ速さで忍者刀を振るうと、2人のショックトルーパーに傷を負わせて気絶させ、残る2人をも打ち倒すと、この包囲網を切り抜けたのであった。

 例を見てもらえば分かるように、この行動は「質より量」のザコを相手にするときに役に立ちます。
 キャラクターが基本的にレジスタンスであるトーグにおいて、数の上で勝る敵を効果的に倒すことは重要です。それは生き延びて勝利すること、つまりハイロードを倒すことへと繋がるのです。