一般行為判定

 ストームナイトはポシビリティを1消費することで、行為判定の際に20面ダイスを1個余分に振ることができます。2つのダイスの目は合計されます。

 つまり、最初のロールが8で、ポシビリティ消費によるロールが14だったとき、最終的な目は8+14=22となるので、チャート表を見るとボーナスは+8となります。

 このとき注意してほしいのが、ポシビリティを使って振り足した目は最低でも10になるということです。先の例で言えば、1回目のロールが8で、ポシビリティによる追加の目も8だった場合、8+8=16になるのではなく、8+10=18となるということです。これはポシビリテイ・エネルギーが現実を変える強い力を持っていることを表わしています。

 余談ですが、ナイル帝国のポシビリティ能力者は世界法則『活劇の法則』により、達成値を求める際に一度に2ポイントのポシビリティを使うことができます(ダメージ軽減やポシビリティ相殺には使えません)。この場合、2つの目を合計するのではなく、2つのうち、どちらか大きい方を使うことができるというものです。

■プレイの実際(活劇の法則)■

 ナイルヒーロー“スカーレット・ウィング”こと、カオル・サギリは、Drメビウスの部下、ミスター・ノワールを追って、リビングランドの半ば崩れたハイウェイでアレントン・ロードスターを走らせていた。あと少しでミスターの車を捕らえることができるという時、ミスターの車のトランクが開き、大量のオイルが吹き出した。ロードスターの車輪がスリップし、ガードレールにぶつかろうとする! 回避するためには〈地上車操縦〉で達成値15が必要である。

 カオルの〈地上車操縦〉基本値は11、サイコロの目は6で、ボーナスは−5、最終的な達成値は6である。これでは車はガードレールに激突し、爆発炎上である。

 カオルはポシビリティを使うが、ダイスの目は8、10とみなしてもボーナスは6+10=16で、+3、それでも達成値は14にしかならない。

 仕方なく、『活劇の法則』を使ってさらに1ポイントのポシビリティを消費した。今度のダイス目は14で、6+14=20なので、ボーナスは+7、〈自動車操縦〉11に足して達成値は18である。

 カオルは驚異的なテクニックで車を操り、ガードレールへの激突を回避できた。

戦闘ラウンド

 以上のように、ポシビリティは非常に強力なものです。行為判定の際にうまく使うことで、キャラクターをヒーローのように活躍させることができます。しかし、戦闘ラウンドにおいては少し使い方に注意する必要があります。

 トーグのシステムでは、弱いダメージを何度与えてもあまり意味はありません。普通のRPGのようにダメージを与え続けて耐久力を「削る」ことは、トーグにおいては無駄な行為です。たとえ、ショックダメージを与え続けていっても、ドラマデッキのアドバンテージで悪役側に『活力』が出れば、敵側のショックダメージとKOは消えてしまいます。また、敵のストーマーは少々のダメージならポシビリティを使ってダメージを消してしまうでしょう。

 それならば、どうすればいいのでしょう? それはポシビリティでも消し切れないはどの大ダメージを与えることです。下の『戦闘結果表』を見てもらえば分かると思いますが、成功度(=ダメージ効果値−相手のアーマー基本値)は、1点上がるごとに加速度的に増えていきます。

■戦闘結果表■

成功度

オーズ(一般人)

ポシビリティ能力者

O 1

K 1

O 1

O 2

K 1

O 3

K 3

O 2

転倒 K/O 4

転倒 O 2

転倒 K/O 5

転倒 K 2

1レベル負傷 K/O 7

転倒 K 2

1レベル負傷 K/O 9

1レベル負傷 K 3

10

1レベル負傷 K/O 10

1レベル負傷 K 4

11

1レベル負傷 K/O 11

1レベル負傷 O 4

12

1レベル負傷 KO 12

1レベル負傷 K 5

13

1レベル負傷 KO 13

2レベル負傷 O 4

14

1レベル負傷 KO 14

2レベル負傷 KO 5

15

1レベル負傷 KO 15

3レベル負傷 KO 5

+2

+1レベル負傷

+1レベル負傷

 

 例えば、対オーズ結果表を見てください。成功度が5のものと10のものでは、前者が実質ショックダメージ2点なのに対し、後者では1レベル負傷+K/O+ショックダメージ10点と大幅に差があります。平均的な敵(耐久力9)に対してなら、後者ならば一撃で気絶させることができるでしょう。

 さて、そのような大きなボーナスを得るにはどうするか。それは機会を伺うことが必要です。普通、ポシビリティを使っても、ボーナスはせいぜい+8〜+9でしょう。オーズ相手ならこの程度でも十分ですが、ストーマー相手には少々不安です。そこで、キャラクターはじっと「耐える」のです。

 ポシビリティ能力者が出現するドラマティック・シーンでは、アドバンテージは悪役側に有利に働きますが、何ラウンドか戦闘を続けていくうちに、プレイヤーキャラクターにとって有利に働くアドバンテージが出現し、さらに、ダイス目が良い時に出くわす機会があります。そんなときこそ、ポシビリティを費やして達成値を上げるのです。もちろん、途中、推奨行動を繰り返してカードを集めていれば、そのときにすべての場札を集中させて後押しします。『この一撃にオレのすべてを措ける!』といった感じでしょうか

■プレイの実際■

 降りしきる雨の中、コアアースの傭兵ユウはサイバー騎士フィリップと対峙していた。この戦いが始まってからすでに10数ラウンドが経過しており、サイバー教皇領製の兵器の前にユウの身体には無数の傷ができていた。ユウは頬に流れる血を右手でぬぐうと、勝ち誇ったように立つ騎士に向かって言った。
「おい、機械人形野郎、早くオレに止めをささねぇと、この雨でオマエさん錆びちまうぜ」
「何ィ?」
 ユウの〈挑発〉に我を忘れたフィリップは狂ったようにスライサーを振り上げ、切りかかる。ユウはすんでのところで騎士の刃をかわし、特殊鋼製のアーミーナイフを構えた。

 ユウのダイス目は20! 振り足しの目は14で合計34。まずはポシビリティを1ポイント使い、さらに加えて今までに溜め込んで場札にしていた『アドレナリン』と『アクション』『だめ押し』も使います。

 まず、命中判定は、最初のロールの34にポシビリティの追加ロール18を足して52なので、ボーナスは+14。さらに『アドレナリン』で≪敏捷度≫に+3し、『アクション』で達成値に+3する。ユウの〈白兵戦〉基本値は15なので、15+14+3+3=35。フィリップの〈白兵戦〉は14なので楽々命中です。

 次に、アーミーナイフのダメージ基本値18にダイスのボーナス+14と、『だめ押し』の+3を足して35になります。サイバー騎士のアーマー基本値は16なので、35−16=19。最終的な成功度は19です。これを『戦闘結果表』で引くと、「5レベル負傷・KO・ショックダメージ5」となりました。

 ユウのアーミーナイフは神業さながらに的確にフィリップの首を捉え、頚動脈と何本かのワイヤーを切り裂いた。機能を停止したサイバーウェアの塊がどさりと泥水の中に倒れこむ。ユウはふぅと息を吐くと、泥だらけになった身体を引きずりながら『仲間』の元へと向かっていった。